第46回 2011年07月13日 

 

平原弥生古墳の鏡について--弥生と古墳をつなぐ鏡--(新井宏)

 

平原鏡が仿製鏡であることを、鏡の鉛同位体比から中国産ではなく朝鮮(楽浪土城)の方鉛鉱が添加されていること、中国鏡にはほとんどない同型鏡が39面中19面あること、三角縁神獣鏡と同じ同笵鏡技術で作ったと思われるシワがあること、銘文に無意味なものや間違いの例が多いことなど、科学的・技術的な見地からの解説があった。平原鏡が仿製鏡で年代の規準としての意味があいまいになると、平原年代は木棺や土器などから古墳期に近づく趨勢にある。

また、平原鏡とは直接関係は無いが、城の山古墳の魏晋仿古鏡の中に、成分が完全に一致するため同一鋳込みとしか考えられない一組の鏡を発見したと紹介があった。