第50回 2012年04月26日 

 

東日本大震災から科学技術を考える(藤盛紀明)

 

最近の考古学の分野では放射性炭素C14年代測定、年輪年代法などの科学的年代測定方法が提唱され、長年築いて来た考古学的年代観を大きく揺さぶっている。歴史や考古学の分野に科学技術を導入することは大いに推奨・期待されるが、技術には適用範囲があり、ばらつきのあることの認識が必要であり、第三者による検証性が必要である。このことが認識されずに科学技術が独走することが危惧される。

今回の東日本大震災でも科学技術の粋を結集し絶対安全と言われていた原子力発電所がメルトダウンし巨大・甚大災害を引き起こした。この復興に際しては、科学技術だけに走りすぎず、日本の自然・文化・庭園・建築への洞察からあるべき街づくりを検討すべきと提案している。