第58回 2013年12月06日 

 

日本考古学協会第79回総会の報告(2013年5月)-「年輪年代法の問題点」(鷲崎弘朋)

 

年輪年代法による測定結果から弥生中後期と古墳開始期の100年遡上論が出てきたが、それが誤りであるということを、多くの記録と年輪年代測定結果との比較によって論証した。その誤りが生じたのは、年輪年代法の旧標準パターン(第1次1985年、第2次1990年完成)が飛鳥時代で接続に失敗したためで、AD640年以降の年輪年代測定値は全て記録と合致して正しいが、それ以前の測定値は全て100年狂っていると結論付けた。なお、これらAD640年以前の測定値を100年修正しても、全て炭素14年代の測定結果と整合性があるとのことである。