第60回 2014年05月09日 

 

邪馬台国東遷説(末永時和)

 

本講演は安本美典氏の邪馬台国東遷説について紹介したものであり、統計的手法の活用、データの図表化など、科学的な取扱いを骨子とした解説があった。邪馬台国の場所については、魏志倭人伝に記載されている物(鉄鏃、刀や矛、絹製品、勾玉など)や箱式石棺が北九州から多く出土することから北九州の可能性が高いとした。卑弥呼については、まず多くのデータから1~4世紀の天皇の平均在位年数を約10年と推定し、次に歴代天皇と在位時期のグラフから倭王讃以前を直線で外挿した結果からAD220~250年ころとなる天照大御神が卑弥呼ではないかとした。また、北九州と大和の地名が不思議と一致することを地図で示した。このことから、九州勢力が大和へ移ったと考えられるとのことであった。