第38回 2009年12月10日 

 

古代製鉄(浅井壮一郎)

 

講演では、「オリエントの鉄」「ヨーロッパの鉄」「インドの鉄」「中国の鉄」「日本の鉄」について、製鉄の始まりから伝播についての詳細な説明があった。そして、古代製鉄のソースについては、製鉄発祥の地域などの考察から、葦などの水草の根に付く水酸化鉄「湖沼鉄」や湖沼鉄の変成・化石化した「褐鉄鉱」と想定され、これらは多量の燐酸分を含み、極めて低温で製鉄が可能とのことであった。また「記紀」では日本を「葦原中津国」と呼んでいるのも、大切な鉄の原料が「葦の根」から取れるのと関係しているのかも知れないとの紹介があった。